■2020 第1戦 公式予選
2020/08/01@ Fuji Speed Way
阪口晴南がライバルを圧倒し、3レース全てでポールポジションを獲得

FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIPが8月1日に富士スピードウェイで開幕。第1大会の公式予選は#3 阪口晴南(Sutekina #3)が3レース全てでポールポジションを獲得した。

FIAにより策定された新しいフォーミュラカー規格「フォーミュラ・リージョナル」の日本選手権が新しく発足し、ついに開幕の時を迎えた。本来なら6月初旬に第1大会が行なわれる予定だったが新型コロナウイルスの影響で今季のスケジュールが大幅に変更されることとなり、8月1日〜2日に第1大会(3レース)が開催されることとなった。記念すべき開幕戦にはマスターズクラス7台を含む計13台がエントリー。まずは決勝レースのスターティンググリッドを決める公式予選に臨んだ。

曇り空のなかで始まった公式予選。まずはレース1のグリッドを決めるQ1が行なわれた。#5 金丸ユウ(Sutekina #5)がセッション前半から1分37秒台を記録してトップに躍り出たが、それを上回ったのがSUPER GTをはじめ様々なカテゴリーで活躍中の#3 阪口。入念にタイヤを温めセッション後半にタイムアタックを開始すると1分36秒408を記録し、ライバルに1秒近い差をつけてトップに浮上した。さらに翌周も果敢に攻めていき1分36秒315をマーク。最終的に2番手以下に対して0.8秒の大差をつけてレース1のポールポジションを獲得した。2番手には#8 篠原拓朗(Sutekina #8)、3番手に#5 金丸がつけた。

一方、50歳以上のドライバーが対象となるマスターズクラスは0.1秒を争う接近した展開となったが、最終ラップで#11 植田正幸(Rn-sportsF111/3)がベストタイムを更新し、クラストップとなった。

10分のインターバルを経てレース2のグリッドを決めるQ2がスタート。ここでも#3 阪口が速さをみせた。Q1同様にセッション後半に照準を定めてアタックした#3 阪口は先ほどの自身のベストタイムをさらに更新する1分36秒080を記録。

ここでもライバルを圧倒しレース2もポールポジションを勝ち取った。2番手には終盤に1分36秒416をマークした#6 高橋知己(Super License)、3番手には#8 篠原がつけた。なお、Q2のセカンドベストタイムでも#3 阪口がトップだったため、3連続ポールポジションを飾った。

マスターズクラスはQ1に続き#11 植田がトップタイムをマーク。セカンドベストでもトップだったため、こちらも3戦連続でクラストップのグリッドを獲得した。

#3 阪口晴南
予選も15分とけっこう長いので、あまり最初に焦ってタイムを出す必要もないと思っていました。このタイヤの特性を活かせるよう自分でも色々工夫してウォームアップをしたりタイムアタックをしました。専有走行から調子が良かったですし、想定内のタイムだったかなと思います。ただQ2にかけてセッティングを変えていったのがうまくいかなかった部分があったので、うまくいけば1分35秒台は十分に記録できたと思います。

#11 植田正幸
スーパーフォーミュラ ライツの車両と比べるとメカニカルグリップが大事になるなという印象です。個人的にはFIA-F4とSFライツの間のというイメージで良いカテゴリーだと思っています。ジェントルマンのドライバーたちもすごく乗りやすくて、FIA-F4からステップアップしやすいと思います。昨日まで調子があまり良くなかったんですが、予選に向けてセッティングを変えて、それがドンピシャに決まって乗りやすくなっていました。メカニックもエンジニアも頑張ってくれました。決勝は淡々と良いレースができればなと思っています。




■2020 第1戦 レース1 決勝
2020/08/01@ Fuji Speed Way
スタートでの出遅れを見事にカバーし阪口晴南が記念すべきFRJ1戦目を勝利

FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIPの第1戦の決勝が行なわれ、#3 阪口晴南(Sutekina #3)が優勝を飾った。

公式予選から約2時間後に始まった決勝レースは公式予選と同様に路面はドライで時より太陽が顔を出す薄曇りのコンディション。富士スピードウェイを15周(もしくは30分)で1レース目が争われた。スタートではポールポジションの#3 阪口が出遅れてしまい#5 金丸ユウ(Sutekina #5)がトップでTGRコーナーを通過した。一時は3番手まで後退した#3 阪口だが、すぐに2番手まで挽回し#5 金丸に積極的に仕掛けていく走りを披露した。それでも後続も接近している状態でコース後半のダンロップコーナーから最終パナソニックコーナーにかけてはトップ集団が入り乱れるバトルが展開された。

そんな中、トップでオープニングラップを終えた#5 金丸。そのままレースをリードしていきたいところだったが、#3 阪口が背後でチャンスをうかがい続け、3周目のTGRコーナーでアウトからオーバーテイク。2コーナーを立ち上がったところで逆転に成功した。

一方、マスターズクラスでは#30 DRAGON(B-MAXエンジニアリング)がマシントラブルでスターティンググリッドにつくことができず、6台での争いとなった。その中でも序盤から#11 植田正幸(Rn-sportsF111/3)と#4 今田信宏(J-MS-RACING-SAR)が序盤から1秒を切るギャップで白熱したクラストップ争いを繰り広げていた。#4 今田の猛追をしのいでいた#11 植田だが10周目のGRスープラコーナーでコースオフを喫してしまいクラス3番手まで後退。一方の#4 今田はチェッカーまで着実な走りをみせた。

総合トップに立って以降は予選同様の速さを披露した#3 阪口。1分37秒台のペースを維持し後続を大きく引き離し、最終的に9.7秒の大差をつけてFRJの記念すべき第1戦目を制した。2位には#5 金丸、3位には#8 篠原拓朗(Sutekina #8)が続いた。

マスターズクラスは#4 今田が優勝。2位に#34 三浦勝(CMSF111/3)、3位に#11 植田という結果になった。

#3 阪口晴南
フォーミュラ リージョナルが日本で始まって1回目のレースでウィナーになれたというのはすごく嬉しいです。これからも、どんどん盛り上げて良い選手権にしたいなと思います。スタートに関しては練習の時からうまくいっていなかったんですけど、レース1ではスタートした瞬間に自分のダメなところが分かったので、次のレースに向けて修正したいなと思います。最近のフォーミュラカーのレースだと後ろにいる方が不利になってしまいがちですが、フォーミュラ リージョナルは少し違うなと感じました。コーナーでも離されにくいですしストレートでもスリップストリームがきっちり効いてくれるので、(感覚的に)FIA-F4に近いような感じで接近戦ができるように思いました。そういう意味では楽しいレースになるのではないかなと思います。

#4 今田信宏
レース後半の方がチャンスがあるかなと思っていて、それまで植田選手に離されないように頑張ってついていっていました。その後、は後ろとギャップがあったんですが、途中に1台すごい勢いで追いかけてくるクルマがあって『まずい』と思ったら高橋選手でした。とにかくFRJの最初のレースで勝てて嬉しいです。午後の第2レースもこんな感じでいけたらなと思います。




■2020 第1戦 レース2 決勝
2020/08/01@ Fuji Speed Way
レース2も阪口晴南が後続を突き放す独走劇を披露。
2位以下に16秒以上の差をつけ2連勝をマーク。

FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIPの第2戦の決勝が15周で争われ、#3 阪口晴南(Sutekina #3)が2連勝を飾った。

15時30分から始まった第2戦はドライコンディションではあったものの、レース開始直前にダンロップコーナー付近で少雨が確認されたためWET宣言が出された中でのレーススタートなった。

第1戦ではスタートで出遅れてしまった#3 阪口だが、第2戦ではしっかりとダッシュを決めてトップでTGRコーナーを通過。5番手スタートだった#5 金丸ユウ(Sutekina #5)が好スタートを決めて2番手に浮上した。第1戦でトップ争いを繰り広げた2人のバトルが展開されるかと思われたが、#3 阪口は1周目から後続を引き離す快走を披露。3周が終了した時点で早くも3.4秒のリードを築いた。一方、レース中盤に入ると2番手争いが白熱した。#5 金丸の背後に#6 高橋知己(Super License)が追いつき4周目のダンロップコーナーで勝負を仕掛けた。ここは#5 金丸がピジションを守ったが、4番手の#8 篠原拓朗(Sutekina #8)もバトルに加わり、3台による接近戦に発展した。

最終的に6周目のGRスープラコーナーから7周目のTGRコーナーにかけて#8 篠原が2台を抜き2番手に浮上。#6 高橋が3番手となり、#5 金丸が4番手に後退した。

マスターズクラスは、序盤から#11 植田正幸(Rn-sportsF111/3)と#30 DRAGON(B-MAX エンジニアリング)のトップ争いとなった。メインストレートからTGRコーナーにかけて#30 DRAGONがなんども仕掛けようとするが、なかなか前に出られなかった。それでも諦めずに並びかけていき、11周目についにクラストップの座を奪った。

結局、総合トップの#3 阪口は1周1秒以上のペースで後続に対して差をつけていき、最終的には16.9秒の大量リードを築いてチェッカーフラッグを受け、開幕2連勝を飾った。2位には#8 篠原、3位に#6 高橋が入った。マスターズクラスは#30 DRAGONがトップでフィニッシュ。2位に#11 植田、3位に#34 三浦勝(CMS F111/3)となった。

#3 阪口晴南
スタートに関しては改善できたと思うんですけど、金丸選手のスタートが僕以上に良かったので、その辺は後で振り返らないといけないなと思っています。できるだけ無理をしないよう走っていたんですけど、基本的にはフルプッシュの状態でした。そのタイムが安定していたので、クルマもレース1より乗りやすかったですし、ドライビングもうまくいったのかなと思います。天気は分からないですけど、ドライだったら今回みたいな展開で終えられるようにしたいです。ウエットに関しては未知数なところがたくさんありますが、チームがどんなコンディションでもクルマを合わせてくれると思うので、しっかり信頼して走りたいなと思います。

#30 DRAGON
予選の時にオルタネーターのベルトが切れたのが原因で、スピードが落ちてしまいました。それがレース1の出走前に(トラブルが)判明して、直しきれなかったのでレース1の出走は断念しました。でも普通にいけば勝てるだろうと思っていたので、レース2は焦らずにいきました。(クラストップ争いについて)前に出てしまえば引き離せることは分かっていたんですが、セッティングの違いなのか向こうがストレートが速くて、なかなか抜けなくて苦労しました。勝てて良かったです。




■2020 第1戦 レース3 決勝
2020/08/02@ Fuji Speed Way
阪口晴南が第3戦でも強さをみせ独走優勝、開幕ラウンド3連勝を飾る

FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIPの第3戦の決勝が15周で争われ、#3 阪口晴南(Sutekina #3)が第1戦、第2戦に続きポール・トゥ・ウィンを果たし、開幕3連勝を飾った。

前日の2レース同様に曇り空の中で始まった第3戦。スターティンググリッドは 公式予選Q2のセカンドベストタイム順 で決められ、#3 阪口がポールポジション、2番手に#6 高橋知己(Sutekina #6)がつけた。

今回も好スタートを決めた#3 阪口はトップでTGRコーナーを通過。2番手に#6 高橋が続くと、5番グリッドの#5 金丸ユウ(Sutekina #5)が第2戦同様に好ダッシュをみせ3番手に浮上した。

この第3戦でも#3 阪口が1周目から後続を引き離しにかかるが、#6 高橋も食らいつく走りを披露。それでも#3 阪口のペースが安定しており、レース中盤に入るにつれて両者の差は少しずつ広がっていった。

一方、マスターズクラスでは#11 植田正幸(Rn-sportsF111/3)が先頭でレースが始まったが、序盤を勝負どころと考えていた#4 今田信宏(J-MS-RACING-SAR)が2周目のダンロップコーナーで#11 植田を抜きクラストップに浮上した。そこにクラス5番手からのスタートだった#30 DRAGON(B-MAXエンジニアリング)も順位を上げ、3周目に#11 植田をパス。クラス首位の#4 今田の攻略にかかった。一時は2秒後方まで迫られた#4 今田だったが、そこから意地の走りをみせ#30 DRAGONを振り切り、少しずつリードを広げていった。

オーバーオールの上位争いでは#8 篠原拓朗(Sutekina #8)と#78 阪口良平(Field Racing)の5番手争いが白熱した。#78 阪口が何度も#8 篠原の攻略を試みるが、横に並びかけて前に出るには至らず、順位の変動がないままレース終盤に突入していった。さらに#5 金丸と#28 古谷悠河(TOM’S YOUTH)の3番手争いでも1秒を切る接近戦となったが、こちらも2台がサイドバイサイドになるシーンは見られなかった。

後続でバトルが繰り広げられる中、トップの#3 阪口は着々とリードを築き、ファイナルラップでは1分37秒211のファステストラップを記録しフィニッシュ。開幕ラウンドの富士大会を完全制覇する3勝目をマークした。2位には#6 高橋、3位には#5 金丸が続いた。

マスターズクラスは最後までトップを守り抜いた#4 今田が第1戦に続いて2勝目をマーク。2位に#30 DRAGON、3位に#11 植田となった。

#3 阪口晴南
今回は新品タイヤで出走していたので、序盤にいいタイムが出せるというイメージでしたが、昨日の序盤のペースと比べると少し劣っているポイントがあったなと思いました。そこは次に向けて改善しなければいけないなと思っています。僕の中ではレース2が大満足な結果だったので、レース3に向けて少し攻めたクルマの(セッティングの)変更を行ないました。その確認もできたので有意義なレース3でした。これから、この選手権が盛り上がればいいなと思いますし、途中から参戦してくれる選手もいれば僕たちとしても嬉しいです。すごく伸びしろのある選手権だと思うので、楽しみにしています。

#4 今田信宏
DRAGON選手が追い上げてくるのは分かっていましたし、スタート直後とかで彼に背後につかれて2番手争いになってしまわないように気をつけました。(DRAGON選手が)植田選手とバトルしている間になんとか引き離そうと思って一生懸命走りました。第1戦はラッキーな部分があっての勝利でしたが、今回はきっちり走り切って勝てました。DRAGON選手や植田選手といった速いドライバーが参戦しているなかで、こうして勝てたというのは嬉しいですね。




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